しまね暮らしのブログへようこそ。2025年の島根アート活動の一本目は、島根県立美術館で開催されています、『平山郁夫 未来へのキャラバンーシルクロードから日本、そして出雲へー』です。
平山郁夫氏の作品群をまとめて見るのは初めてです。本展では山梨県の平山郁夫シルクロード美術館の所蔵品が多く出品されています。幼少期からの軌跡や、どういう思いで活動をされてきたのかがよく分かる、初心者にとっては優しい展覧会です。
展覧会基本情報
展覧会名:『平山郁夫 未来へのキャラバンーシルクロードから日本、そして出雲へー』
会期:2025年1月17日(金)~3月10日(月)
開館時間:【1~2月】10:00~18:30(展示室への入場は18:00まで)【3月】10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時刻まで)
休館日:火曜日(2/11は開館)
仏像に髭。
本展の展示構成は三章から構成されています。
第2章の「シルクロードの遺宝」では、平山郁夫シルクロード美術館が所蔵する、いわゆる平山コレクションと呼ばれるシルクロード関連の遺物の数々が展示されています。
地中海世界、オリエント世界、ガンダーラ、アジア世界と地域ごとに分類されています。おそらく学術的には細かい分け方があるのでしょうが、様々な仏像などが見られます。ずっと仏像とはこういうもの、と認識していたものとは随分と印象が違うものもありました(アルカイックスマイルとか)。
ガンダーラの展示枠に、撮影可能な仏像がありました。
「弥勒菩薩交脚座像」

お顔は目鼻立ちがはっきりとしていて、若さを感じます(アクション俳優みたい)。なんと髭も生やしています。
時代や場所が変わると、いろんな仏教美術があるものだと驚きました。
クイズのキャラバンに参加しよう。

でも参加できる関連プログラムです(ただし、プレゼントがなくなり次第終了)。
企画展示室とロビーにクイズが掲示されています。全部で五問。
全問正解で記念グッズがもらえます。

ちょっと引っかけ問題もありました。こういう企画があると、じっくりと作品を見るきっかけになって良いですね。
日本を描く みちのく、京都、そして出雲へ。

もう一つの撮影可能だった作品が「八雲立つ出雲路古代幻想」です。
上記の小見出しは第3章の表題をそのまま拝借しました。展覧会の最後に再び平山氏の絵が待っています。シルクロードの情景を描いた日本画だけではなく、国内を旅して書かれた作品も見せてくれます。島根県を描いた絵、スケッチ帳もありました。遠くから見ると写実的なのに、近づいて見ると装飾的な塗り方にも感じて、不思議な魅力の画風だなあと思いました。「流水間断無(奥入瀬渓流)」という作品もよかったです。向かい合わせにベンチが置いてあるので、どうぞゆっくりと見ていただきたい作品です。
生涯に何頭のラクダを描いたのだろう。
第1章「シルクロードへの道」、幼少期を過ごした広島の風景から晩年のシルクロードの絵まで、平山氏の画業を早送りで見られた気がしました。その最晩年、まさに亡くなられた年に発表されたのが「文明の十字路を往く アナトリア高原 カッパドキア トルコ」です。調べたら36歳のときに訪れたトルコから、氏とシルクロードの長い旅が始まったと分かりました。その場所をその時から40年も経って描くなんて。
同じく第1章にあった「パルミラ遺跡を行く・朝および夜」の2枚。どちらも10頭ほどのラクダとともに砂漠を旅する一団のキャラバン。勝手な推測ですが、日本で一番ラクダを描いてきた画家ではないでしょうか。たぶん、そうです。
本日のお土産紹介
A4クリアファイル「パルミラ遺跡を行く・朝」
A4クリアファイル「パルミラ遺跡を行く・夜」

大型ポストカード「八雲立つ 出雲路古代幻想」
大型ポストカード「文明の十字路を往く アナトリア高原 カッパドキア トルコ」
大型ポストカード「流水間断無(奥入瀬渓流)」
ポストカード「敦煌石窟九層楼」

敦煌は平山氏が何度も訪れた場所です。井上靖さんの小説『敦煌』を原作した同名の映画に、昨年亡くなられた西田敏行さんが出演されています。追悼としてBSで放送されていたものを録画したままでした。じっくり見て、小説も読んでみたいと思います。
この数が島根に集まるのは珍しい!ぜひ見に行ってほしい展覧会
絵画→仏教美術→絵画が順路にはなっていますが、途中で戻って気になった作品を再び見たりもしました。クイズの場所を見落として、戻らざるえなかった時もありましたが。展覧会の冒頭が平山郁夫氏の広島での原爆体験でした。平和という言葉の重みを、芸術を通して誰よりも伝えてきた方なのだと感じました。たくさんの作品を残された方なので、これからも機会があれば見続けていきたいです。
たくさん展示を見終わった後は、ドリンクタイム

館内は暖房がしっかりかかっていて、ポカポカ。
見終わった後は、喉が渇いたな〜という気分でした。
湖畔のレストラン ラシヌさんでドリンクをテイクアウト。
ブラッドオレンジジュースとホットコーヒー
オレンジジュースは少し大人の味でした。
ごくごく飲んでしまいました。
宍道湖の風景も載せておきます

この日は、晴れ間も見える日でしたが、見終わった後は少し雲し空でした。島根の冬はなかなか晴天の日が少ないためこの景色が通常どおりでしょうかね。
