あけましておめでとうございます。
と言うにはすっかり遅くなってしまいました。
2022年もしまね暮らしをよろしくお願いします。
昨年は島根県の色々なところを訪ねました。
昨年の出来事でまだ書けていない記事が…
もう少し2021年にお付き合いくださいね。
はじめに
島根県大田市温泉津町で秋のやきもの祭に行ってきました。温泉津町の登り窯は日本最大級の長さで、今でも現役で使われています。同町の3つの窯元である、椿窯・有限会社椿窯・森山窯が共同で使っています。
たまたま気になって行ったやきもの祭に、なんと!!福光石の採石場見学ツアーが開催されていまして…
中に入れる機会は滅多にないかもしれない…
夫婦そろってブラタモリ好きの二人。
これは見に行きたい!!
そしてタモリさんにもぜひ来てもらいたい場所のはず!!
そんなわけでツアーに参加してきました。
福光石は“現役”遺産!
大田市日本遺産構成文化財は、
「石見の火山が伝える悠久の歴史-“縄文の森”“銀の山”と出逢える旅へ-」
として認定されています(認定日2020年6月19日)。
大田市日本遺産構成文化財の第1号が福光石の石切場です。(22件登録されています)
福光石採石場について
また、この碑の近くには福光石採石場の説明看板が掲示してあります。
石山(福光石採石場)
看板より引用
福光石は、約1600万年前の海底火山噴出物(火山灰等)が海底に堆積し、長い時間をかけて岩石となった堆積岩(凝灰岩)です。 室町時代から今日まで約400年間、採掘加工を続け、石像・鳥居・狛犬・灯籠・墓石から石臼・流し台など生活用品、さらには建物の地伏石や石畳・道標など様々な製品を生産、石見地方一円に福光石製品が広がりました。 長い福光石の歴史の中でひときわ光を放っているのは、江戸時代の彫刻の名工坪内平七を中心に制作された「石見銀山五百羅漢像」です。(1744~1766制作) 現在は、福光石のソフトで淡青色の石色がもつ雰囲気や感触が好まれ、温度調節・吸音効果、すべりにくい材質等の特性を生かして、建物の壁・床材、浴場の床材や造園用材に、また、サインやモニュメントの素材として、島根県を中心に、東北から九州までの各地で使用されています。
いざ!石の声を聞きに洞窟に入る
では、さっそく内部に進入してみたいところですが、採石場内に入る際にはヘルメットの装着が必要です。また、地面は細かい砂の粒子で歩くたびにふわりと舞うことがあり、希望者には靴カバーが配られます。お気に入りの靴では行かない方がいいかもしれません。
正面に見える金網扉の向こうが採石場です。左下にはこれから出荷を待つ福光石が積まれています。上を見上げてみると人工的に削られた形跡があります。そうです、ここも元は大きな岩盤で、掘り進めた結果がこのように眼前に広がっているのです。
洞窟のようなものなので、中に入るとひんやり涼しく感じました。
入ってすぐのところに石像がたくさん置いてありました。
ガイドさんより
昔は夏は田畑を耕し、冬(農閑期)に石の採掘作業をしていたのではないかと言われています。
石見銀山のお地蔵さんなど8割くらいは福光石で作られています。
機械で掘り始めたのはここ約60年前ほどからなんだそう。
やわらかい石のため、100年ほどで壊れてしまうので近年では墓石はつるつるして頑丈な御影石(みかげいし)を使う人が多いですね。
福光石という名前はそこの地域の名前で付けられていますが、同じ石は、青森県、福井県にもあります。
とお話を伺いました。
福光石は、浜田市にある水族館アクアスの床材の一部としても利用されています。戸建て住宅のお風呂の床材に使われることもあるそうです。表面加工の仕方によるのでしょうが、滑りにくい特徴を持っているとのことです。
ちなみに…
滑らないということで、先日ニュースで合格祈願の福光石のお守りを学生さんにプレゼントしたというのを見ました。
ニオイや音などの吸収もしてくれることから壁に使われることもあるそうです。
今度、ぜひアクアスへ行って確かめてみなくては!!
深く掘られています!!
現在、掘り進められているところです。高さを示す紅白棒が見えますが、足元から12mあります。見下ろしてみるとどうなっているか。写真を手前に移動してみましょう。
見学日は休日でしたが、今まさに石が取れそうになっています。現在では作業における機械化が進んでいると思いますが、まだ手作業の時代は本当に根気のいる仕事だったろうと想像できます。
石切場内でみたグリーンのきれいなプールのようなところもとても美しく見ごたえがありました。
人工的な自然の美しさも見どころです
ここもきれいに石を削ったあとが残っています。山に降り注いだ雨が、岩盤の隙間をつたって溜まっている場所があります。水が緑色に見えて、とても幻想的な写真が撮れました。これだけ見ると採石場というより、南米の奥地にある遺跡か何かに見えませんか。私はこの景色を見て、あの冒険映画がパッと思い浮かびました。ハリソン・フォードの顔とあの曲が流れてきました。
このような感じで残っている石切場は、国内に1,2か所らしい
ガイドさん曰く、珍しい場所だそうで、これはやはりブラタモリに特集で来ていただきたいなあ…と思いました。全国に1,2か所は確かそう言っておられた気がするのですが違っていたらごめんなさい。
島根ってなかなかすごいところがあるものですね。なかなか体験できない場所へ行けて大人の遠足の時間を楽しめました。
見学してみたい人は…
見学ツアーについては、島根県西部公式観光サイトに掲載されています。
私は温泉津やきもの祭りの企画の一環として、見学ツアーに参加しましたが、普段は「石見ものづくり工房」へご連絡して予約をする必要があります。未だ現役の石切場ですから、思い立ったときにフラッと立ち寄れる場所ではありませんからお気をつけください。
その他福光石について掲載しているサイトはこちら
福光石の採掘は有限会社坪内石材店さんが行っています。原石販売・加工製品販売をされており、詳しくは会社のホームページをご覧ください。
島根県大田市の日本遺産については、大田市日本遺産推進協議会のホームページに詳しく載っています。もちろん福光石の石切場も掲載されています。
こちらもぜひご覧ください。