最近になって、焼き物や器に興味が沸くようになりました。
日本伝統工芸展に行ったりして、少しずつそちら側に目は向いていたけれど、
コロナ禍のせいで(いい意味で)内向きになっている気持ちを、外向きにしてくれたひとつが陶芸でした。
とは言え作る方への好奇心ではなく、見ること使うことであります。
県外の美術館に行けないのなら、県内で美を感じるもの・場所を目指して深掘っていこうという算段!!
前回の『まずは情報収集編』はこちらから
出西窯はどんなトコ
きっかけを与えたくれたテレビ番組がありました。
今年の1月10日に日本海テレビで放送された「新ふるさと百景 / 登り窯が伝える民藝の心~出雲市 出西窯」。
登り窯での焼成の様子や、器の成形、釉薬のつけ方などが紹介されていました。
若手の職人さんの作り手としての声も聞けてより興味がわきました。
そんな経緯で2月某日に行ってきた出西窯!!
出西窯の歴史を紐解くと、数回の移動ののち現在地に定まったのが昭和41年とのこと。
窯の見学は現在おこなわれていませんが、周りには楽しめるお店が集まっています。
・展示販売店舗の「くらしの陶・無自性館」
・ベーカリーカフェ「ル コションドール出西」
パンを購入して帰ろうと思ったのだがその日は売切れ。
人気のようなので午前中に行くのがおすすめです。
・服や雑貨を扱う「B shop 出西店」
3つの建物は「くらしのViLLAGE」というコンセプトで集まっています。
さらに、少し歩いた所には、ガラス工房Izumo(ガラス作品の展示・販売や吹きガラス体験など)があります。
田畑の一角にあらわれた手仕事テーマパークのようですね!!
購入したもの
今回の訪問で購入したのは、茶碗と徳利。
(写真の真ん中の湯飲みは以前いただいたもの)
100円ショップで器が気軽に買えるご時世、その10倍以上の値段で買う器にどんな意味を持たせるか…
ひとつひとつを手に取ってみると、手仕事の微妙な差異が見つかります。
おそらくは意図的ではない、窯の中での偶然が生んだ同じ器なのに異なるデザインを出現させます。
それは優劣の差ではなく、好みの問題として商品選びを楽しくしてくれます。
何の気なし使っていた食器や道具が、暮らしの中でひときわ目立つように!!
実は初めての出西窯の器は、以前に働いていた職場を退職するときに頂いた餞別の白い持ち手のないカップでした。(写真真ん中の湯飲み)
ただただ、高価なんだろうと思い箱からは出したものの、なかなか使えずにいました。
割ってしまったらどうしようという不安な気持ちが、食器棚の奥へ奥へとそのカップを追いやってしまったためです。
しかし、職人たちは誰かに使ってもらうために器を焼いているに違いないかな…
そうだ、割れたら直せばいいではないかと、何とも単純な発想で金継ぎの勉強をはじめてみようかと…
少し高い器を手にしたことで、生活の価値観が変化してきました。
ちなみに…器の口当たりの良さを体感したので次回は猫用にもこちらを購入したいところ
今後の展望
今年に入ってから「リーチ先生」(著:原田マハ)を読みました。
明治から昭和にかけて、日本の陶芸に深く関わったイギリス人陶芸家のバーナード・リーチを中心に、民藝運動を展開していった柳宗悦、濱田庄司らの物語。
小説なので著者の脚色もあろうが、その人となりはきっとそうだったのだろうとすっかりすり込まれてしまっています。
ストーリーの中では島根県は登場しないものの、実際には彼らは出西窯を訪ねています。
出西窯だけでなく、県内のほかの窯元でも彼らの足跡や今に至るまでの影響は色濃く残っているようです。
あまり登場シーンの少なかった河井寛次郎もその一人だが、彼は島根県安来の出身の方です。
どうやら陶芸や工芸品の魅力、あるいは魔力にどっぷりはまりそうな予感がします。
次に欲しい器はスープカップなのだが、どこかでこれはと思えるものに出会えることを楽しみにしておこうかな…
後日談
その翌週にイオンスタイル出雲催事場で開催されていた『島根窯元展』へ行き素敵なスープカップと出会えました。
こちらは江津市にある石州嶋田窯さんのスープカップ。
口当たりがよく持ち手が付いているためとても飲みやすいです。
スープだけでなくお味噌汁もこの器を使用しています。
かわいい箸置きとも出会え購入しました。
こちらは松江市の陶風舎さんの箸置き。
陶風舎さんのお皿はスティッチ柄が入っているものが特徴的!
今回はほしいサイズがなかったので今度ぜひ工房へ行って手に入れようと思います。
Instagramでの発信もされているようなので是非チェックを。
番外編
ご飯を炊く用の土鍋を奥さんが島根で暮らし始めて間もないころ陶芸教室で作ったもの。
ロシアの国民的キャラクターチェブラーシカが好きすぎてこのデザインになったようです。
こちらで炊いたご飯はそれは美味しい。
炊飯器とはまた違った味わい!!
(最近は使ってなかったので炊いてみようと思う)
島根にはまだまだたくさん知らない窯元があります。
1つ1つ回ってみるのも楽しそうですね!!
今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。