みなさんは、灯台と聞いてどんなイメージを抱きますか?
高いとか、白いとか、海のそばとか、でしょうか。
去年、出雲日御碕灯台に初めて行ってみました。名前はもちろん知ってはいましたが、実際に行くことはなく数年が過ぎ去っていました。
近いからいつでも行けるだろうと思って、なかなか行かないパターンです。
その時のレポート記事はコチラ。
そもそも、灯台に行こうと思ったのは、「新美の巨人たち」で犬吠埼灯台が紹介された回を見たからです。
そして、この度、記念すべき2本目の灯台を目指しました。美保関灯台です。
島根半島の西側にある出雲日御碕灯台、東側に立つのが美保関灯台です。
ちょうど、去年の11月19日に美保関灯台が重要文化財(建造物)になる、という報道もありそろそろ行かねばと思っていたところでした。
※ちなみに、出雲日御碕灯台も同様に重要文化財(建造物)に指定されました。
美保関灯台はどんな灯台?
美保関灯台が初めて点灯したのは、1898年(明治31)11月8日です。山陰地方では最も古い灯台です。
この灯台は地蔵崎に建っている由縁で、当時は一等灯台地蔵崎灯台という名称でした。
現在の美保関灯台と名前が改まったのは、1935年(昭和10)のことです。
- 山陰地方では最も古い灯台
- 国の登録有形文化財
- Aランク保存灯台(明治時代に作られた灯台のうち、最重要のAランク23基のひとつ)
- 世界の歴史的灯台100選(日本からは5基が選出。なんと島根県からは日御碕灯台も選ばれています)
- 日本の灯台50選
美保関灯台が登録有形文化財に指定されたのは2007年のことで、これは当時の現役灯台としては初めてのことでした。
その理由として挙げられているのは、灯台のみならず現在はビュッフェが提供されているレストハウス(元は吏員退息所)、倉庫・物置、石塀なども残っている点でした。
長い年月のなかで修繕や修復はあったでしょうが、全体の景観は明治時代の面影を残しているのでしょう。
今は自動点灯で稼働している灯台ですが、無人化されたのは1962年(昭和37)のこと。
それまではここに人が暮らして、働いていたのだと思うとノスタルジックな気持ちになってしまいます。
参照:しまね観光ナビ
観光としての美保関灯台
さて、ビュッフェのことを書きましたが、灯台内部への見学は通常はできません。
年に1回、海の日に一般公開されると案内はありますが、今年はまだ分かりません。
ちなみに私たちが行った日は、ビュッフェは休業日でした。(残念!!)
灯台ビュッフェの営業日等も含めて、美保関地域の観光情報は下記のホームページで参照できます。
灯台前にある展望台からの眺めは最高!
灯台前にはベンチが置いてあり、ゆっくりと海の景色を眺めることができます。
真ん中の方に隠岐の島が見えるそう!!
私達が行った日は、隠岐の島は、なんとなくうっすら見えたような…そんな感じでした。
駐車場から見える大山も素敵!
駐車場にデッキがあり、大山が見えました。
こちらも、記念写真におすすめスポットです。
遊歩道の森の中もジブリの世界みたいで良かった!
駐車場から少し歩きます。
その道中、木の中を通っていく雰囲気もとても気持ちが良かったです。
灯台からの帰り道は、大山が見えてくるため、わ~~~っ!!と盛り上がりました♬
灯台の魅力について
ところで、灯台の魅力についてどう思いますか?
出雲日御碕灯台の記事ではインフラツーリズムが流行っているという文脈で書きました。
出雲日御碕灯台へ行った際は…
・予想以上の高さに驚き
・岸壁から海を恐る恐る覗き
・狭いらせん階段ですれ違う人と挨拶をし、和やかになり
・自動販売機の上にとまっているウミネコにきゅんとしたり…
忙しい一日でした。
それに対して…美保関灯台は
石塀の外から灯台を眺める、静かな時間の流れでした。
そのせいか、灯台に妙な孤独さを感じました。夜の灯台ってどんなだろう、とふと思ったりもしました。
観光で灯台を見に行くときは、基本的には昼間です。
しかし、灯台が実際に働いているのは真夜中です。
昔、人の手で操作をしていたときは夜も賑やかだったかもしれません。しかし、今は自動点灯で機械が時間に合わせて動かしています。
ひっそりと孤独に文句も言わずに、一定の間隔で光りを放っています。ただ、遊歩道を歩いていると、イノシシが掘ったと思われる形跡がありました。
あるいは、人間がいないだけで、実は今でもそれなりに賑やかな夜なのかもしれません。
その光源に吸い寄せられるように様々な生き物が集まっていると思うと、夜の灯台も素敵な観光地です。
灯台の第一の目的は夜間における船舶の安全な航海を支えることです。しかし、その佇まいにはなぜか胸をざわつかせるものがあります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
美保関灯台について
美保関灯台
島根県松江市美保関町美保関
美保関灯台の概要
点灯日:明治31年(1898年)11月8日(山陰地方では最も古い)
灯台の高さ(建物のみ):14m
海面からの高さ:73m
設計者:フランス人技師
光度:46万カンデラ(建設当時は6万7500カンデラ)
美保関灯台の略年表(新しい順に)
2021年11月19日 国の重要文化財(建造物)に指定される。
2007年 当時の現役灯台として、初めて国の登録有形文化財に指定される。
1998年(平成10) 「世界各国の歴史的に特に重要な灯台100選」に選ばれる。
1998年(平成10)11月1日 「あなたが選ぶ日本の灯台50選」に選ばれる。
1991年(平成3) 保存灯台Aランクに区分される。
1935年(昭和10) 名称が現在の「美保関灯台」となる。
1898年(明治31)11月8日 点灯日(山陰地方で最も古い灯台)、竣工時の名称は地名に由来する「一等灯台地蔵崎灯台」。
※ちなみに、日御碕灯台は1903年(明治36)4月1日に初点灯
【その他参考にしたサイト】