白黒ハチワレ猫が九七八になるまでの話~第1回「第一発見者になる」

九七八白黒ハチワレ猫猫との暮らし
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2022年9月7日、一匹の子猫が勤務先の加工場に紛れ込んだ。
お昼の休憩を終えて、さて午後からの仕事を始めようかとしていた矢先のことだった。
「ねぇ、どこかから猫の鳴き声がしない?」
「え、どこだろう」
とみんなで小さな鳴き声を頼りに社内をあちこち探します。
どうもこの辺りから聞こえてくる気がすると、機械の下を覗いてみると白と黒の模様の小さな猫を見つけました。
「ここにいましたよ」と私が第一発見者となりました。
目が合っても逃げ出す素振りがありません。怖くて固まっている感じもします。とにかくそのままにしておくわけにもいかず、しゃがみ込んで手を伸ばします。ニャーニャーと鳴く声を聞きながら、「大丈夫だよ」と声をかけます。なんとか引っ張り出して、抱きかかえると鼻水を垂らしてクシャミをします。なんだか具合が悪そうな感じです。
「どうするの?」
「うちには二匹すでに猫がいますから」
「じゃ、外に逃がす?」
「でも、なんだか体調悪そうですね」
「どうするの?」
「とりあえず病院に連れて行って、里親募集をしてみようかな。奥さんがその辺くわしいから」

九七八白黒ハチワレ猫


そして、マイカーの軽トラの中にコップに水を入れ、窓を少し開けて涼しい風が入るようにして、「悪いけど、ちょっと仕事が終わるまでここで待っててな」と車内に入ってもらいました。その様子を写真に撮って、奥さんにそれまでの経緯を伝えました。その時点で飼うつもりは全くなく、すんなりと里親を見つかるだろうと楽観的でいたのですが、奥さんはそうではなかったと後日聞くことになります。なぜなら、子猫だと思っていた白と黒のその猫は、猫好き界隈ではもう子猫は卒業しているサイズだったと判明することになるからです。

つづく・・・