ずっと行ってみたいと思っていた倉敷へ。 前半の様子はこちらの記事をご覧くださいね!!
大原美術館の向かいにある「有隣荘」
有隣荘は大原家の旧別邸として、昭和3(1928)年に建てられました。現在は年に数回しか内部は一般開放されません(主に春と秋)。大原孫三郎が病弱だった妻のために建てた有隣荘は、普段は外観を望むのみです。通りから眺めてまず最初に目に入るのは、瓦屋根の不思議な色合いでしょう。
倉敷美観地区の建物の多くは、黒っぽい瓦が使われています。しかし、有隣荘の瓦は緑色と黄色のグラデーションになっています。グラデーションといっても決して規則的な感じではありません。狙ってはいないのに、結果的に全体としてはある種の調和を醸し出しています。建物の中に入るとその瓦を間近で見られる場所もありました。撮影不可のため詳細をお伝えできないのが残念です。監視員さんによると大阪の泉州瓦で特別に発注して作った瓦という話しでした。また、瓦以外で奥さんは扉の取っ手や窓の装飾、欄間のデザインにも興味津々でした。さらに庭にある大きな石。「あれは一枚岩かな」と思わず口にしてしまうほどの大きさです。聞くと一つは香川県の庵治から、もう一つは京都の鞍馬からはるばるやって来たということでした。相当重たかっただろうなあ。
令和5年秋の有隣荘特別公開《家族のかたち》
有隣荘は大原孫三郎が妻のために、そして家族がゆっくりと過ごせる場所として建てた別邸でした。今回の展覧会は《家族のかたち》と題して、大原美術館が所蔵している作品の中から家族をテーマにした作品が選ばれ展示されていました。「妻」「母子」「生と死」とテーマを3つに分けて、有隣荘の各室に建物と争わないように、つまり昔からそこに飾ってあったかのように展示されていました。訪問日がちょうどこの会期に重なっていて良かったです。大原美術館には行けませんでしたが、すっかり有隣荘を満喫できました。何にせよ、わたし「特別」に弱いもので。
展示作品の中には、私の好きなモディリアーニの絵も飾ってありました。大原美術館のミュージアムショップを訪ねると、ちょうどポストカードが販売されていたので迷わず購入。展示されていた《ジャンヌ・エビュテルヌの肖像》は、モディリアーニにとっては最愛の女性だったとされます。年齢は14歳下ではありましたが、子供もできました。しかし、この絵が描かれた1919年の翌年にモディリアーニは病死し、彼女も二人目の子供を身ごもったまま後を追って亡くなってしまいます。モディリアーニはエビュテルヌの肖像画を20作品以上も残していて、ポートレート写真を撮るような、あるいはラブレターを書くような気持ちで描いていたのかもしれません。事実だけを見ると二人の人生は悲劇であったと思ってしまいますが、こうして残された絵を見ていると真実は悲劇だけではなかったと思いたくなります。今度は大原美術館でこの絵に会えるのを楽しみにしたいです。
(※本展覧会は既に終了しています)
外観最高な喫茶店!エル・グレコへ
少々歩き疲れたので大原美術館隣の「エル・グレコ」で一服しました。
外観は喫茶店好きにはたまらないこの雰囲気で、カメラを構えるととても絵になる風景でテンションが上がりました。
席は結構詰めて座る感じで、ゆったりくつろぐ雰囲気ではない感じだったかな。(ちょっと残念だった)
美術館隣の喫茶店ともあり、メニューのお値段も少し高め。ただ、とっても美味しかったんですよ…フルーツジュース。たくさん歩いた疲れが吹っ飛びました。
倉敷の町を一望できる「阿智神社」
倉敷市公式観光サイト〔倉敷観光WEB〕によりますと阿智神社は…
美観地区の一角にある鶴形山の山頂に鎮座する倉敷の鎮守。航海の安全を司る宗像三女神を主祭神としてお祀りする創祀1700年を超える古社です。境内には日本一古い蓬莱様式の磐坐(いわくら)や曙藤としては日本一の古木といわれる県指定天然記念物「阿知の藤」等があります。秋祭りには倉敷名物“素隠居”が出る時代行列の御神幸があり、“三女神の舞”や“獅子舞”等が奉納されます。
https://www.kurashiki-tabi.jp/see/189/
境内の一角にひと息休める場所があって、そこから美観地区が眺められました。大原美術館や有隣荘も望めます。
最近、初詣だけではなく寺社仏閣を訪れた際におみくじが売られていたら買い求めています。阿智神社のおみくじは昔ながらの筒状のケースを振って、出てきた棒に書かれている平仮名をつたえるとおみくじがもらえる形式でした。何が書かれてあったかは内緒ですが。
そばに「縁結びの木(もっこく)」と看板が立てられたおみくじ掛けがありましたが、これが干支ごとに分かれていて珍しいと思いました。
そうそう、本殿までは長い階段を登った先にありますので頑張ってください。途中になぜか烏骨鶏(うこっけい)?が飼育されている柵がありましたが…(なぜ飼われているのかは分からなかった)
素隠居さんに出会えた!
そして、なんと訪れた10月14日は秋の例大祭が催されていて、この素隠居(すいんきょ)に出会うことができました。おじいさんとおばあさんのお面を被り、手には団扇を持っています。この団扇で頭を撫でられるとご利益があるといいます。本当は子供たちに対して健やかな成長を祈って、みたいなことが本流のようですが私たちアラフォー・アラフィフ世代にも快く団扇で頭を撫でてくれて、さらには記念撮影にも応じてくれました。
日帰り旅行でしたので、今回はこの辺で。
入ってみたい喫茶店もありましたし、倉敷美観地区なかなかさすがに奥が深いです。ちなみに駅北口も雰囲気ガラッと違いますが、もう少しじっくり見たかったです(帰りの電車内で食べる夕飯を調達しに行っただけです)。次こそは大原美術館に行くぞ。