みなさん、本日はうれしい報告です。
当ブログでも紹介してきました千早茜さんの『しろがねの葉』。
第168回直木賞を受賞されて以来、世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」を有する島根県大田市では、すっかり『しろがねの葉』ムーブメントが起きています。
昨年は世界遺産認定から15周年として、様々なテレビ番組でも取り上げられていましたが、何と言ってもこの直木賞受賞のニュースが一番大きな花火だったと思います。
おかえりなさい、千早茜さん
そして、ご本人もおよそ1年ぶりとなる大田市へのご来訪が叶いました。
受賞記念として4月16日に、大田市民会館にてトークイベントが催されました。
会場にはざっと800名くらいは集まっていたでしょうか、外は雨降る肌寒い日でしたが、会場内は千早さんの穏やかなお人柄のような温かさに充ちていました。
トークイベントと合わせて抽選100名のサイン会も併催されました。私は、残念ながら落選。開場時間までの列に並んでいるときに、当選された方が後ろに並んでいて、羨ましかった。
1時間半があっという間のトークイベント
さて、トークイベントは山陰中央新報社大田支局長の曽田元気さんを聞き役に、作品の創作秘話はもちろんのこと、大田市を巡って気に入ったところや小説の種を探すために普段から心がけていることなど、面白い話がたくさん聞けました。
特に印象深かったのは、前日に行った三瓶山の埋没林ミュージアムのお話です。元々、ご本人が記録魔であるのをエッセイで書かれていて知っていました。しかし、昨晩は日記とは別に、約1時間しっかり集中して文章トレーニングも兼ねて埋没林を見た時に感じた感想を書きましたと仰っていました。小説家としてデビューされてから15年、今でも文章力を向上させる努力をされている姿にひどく感銘を受けました。トークの中でも小説を書く技術について何度も触れていました。プロになっても表現の仕方や伝わり方を意識して、文章を綴る練習を日頃からされているからこその直木賞受賞なんだなあと思いました。
また、世界遺産としての石見銀山の感想を聞かれた際に、何もないからこそ想像力を掻き立てられたとお話されました。蝋人形の模型などを置いたり、建物を再建したりなど、当時の風景を再現しようとする方法をとらずに、間歩は間歩のまま、遺跡跡は跡のまま、にしておく。そのおかげでインスピレーションを立ち上げて、千早茜流のあの時代の石見銀山がよみがえったのだと思います。
閉会のあいさつをされた中村唯史さん(NPO法人石見銀山共同会議理事長)が、世界遺産に認定された当時、展示の仕方についてまさに模型等を置くかどうかの議論がなされたという裏話も聞けました。どんな見せ方が正解なのかは、その場所や環境によって変わってくると思います。具体的なリアルを見せた方がいい歴史的遺産もあると思います。しかし、例えば、寺社仏閣に長い間受け継がれてきた絵画や彫刻などを修復する際に、作られた当時の彩色などに戻さずに、経年劣化のうえで出来た傷や剥がれなどは敢えて残すように直しているのを見たことがあります。今の時代に生きる人が見るべき姿、見ることができる姿が、そのような歴史的遺産には宿っているのでしょう。
50年後、100年後の石見銀山はどのような姿になっているのでしょうね。
千早さんのTwitterもぜひ見てね♪
千早茜さんと新井見枝香さんの共著『胃の合うふたり』を読むと、千早さんのパフェ好きが伝わってきます。大森町にある群言堂のパフェは私も食べたことありますが、妻曰く、パフェ好きの間でも有名なようです。トークイベント時には食べたいと仰っていましたが、翌日のTwitterを拝見したら、しっかり食されたようで良かったです。
『しろがねの葉』から千早作品を読み始めた人もいるかもしれませんが、自身初の時代小説です。これまでの現代物やエッセイを読むとまた違う千早茜さんの作風に出会えます。『胃が合うふたり』・・・面白いですよ!!
妻の感想コーナー
前半は読書好きの夫の感想です。
彼は、トークショーに行けて大変喜んでおりました。
当日の入場も整理券を配ると大田市のサイトにお知らせがあったことを前日伝えると、入場できなかったらどうしよう!と心配だったのか、早めに出かけて整理券をゲットでき一安心していました。
一方、妻の私は普段エッセイなどはたまに読む程度であまり読書をする方ではありません。
そのため、恥ずかしながら千早さんのことは今回の石見銀山を題材にした小説が直木賞にノミネートしてるらしい!!と夫から聞いて「すぐに買ってきて読んで!!(私は読むの苦手だから感想を聞かせてくれ)」との流れから存在を知ったにわかファンです。
ただ、千早さんのTwitterやエッセイを読んでいくうちに「なんだか気になる・・・趣味とか好きなものとかもなんだか同じこと多いかもな~」「いつも素敵なワンピースドレスをお召しになっていてかわいいな~」と千早さん推しになったこのごろです。
今回のトークショーで、登場人物のだれが好き?(この話は読んだ人でないと盛り上がれなかった!読んどけばよかったと後悔!そして聞き役が曽田さんともう一人女性がいたら・・・盛り上がりが違った気もする・・・と妄想)や間歩の中の情景の様子の表現がとにかくすごいんだ!と聞き役だった山陰中央新報の曽田さんがおっしゃっていたのが気になったのと、千早さんが地層が好き!埋没林の香りが気になった!などのお話を聞いた結果、ちょっと難しそうな『しろがねの葉』読んでみたくなりました。
これからゆっくり読みます~♪
地層好き!千早さんへおすすめスポット
次回島根へ来られた際、ぜひ寄ってほしい!!おすすめスポットを勝手に紹介しておきます。
①福光石の石切場(大田市温泉津町)
②出雲日御碕灯台 日御碕の柱状節理(出雲市大社町)
③宮ヶ島 衣毘須神社の隣にある猫島(益田市小浜町)
④鬼村の鬼岩(大田市大屋町)
⑤石見畳ヶ浦(浜田市国分町)
おそらくブラタモリとか好きな方なんだろうな~(私たち夫婦の大好きな番組♡)
私はまったく地層に関して詳しくはありませんが、層になっているのを実際見に行ったりすると『わ~すご~い!なんでこうなってるのかね?どうやってこうなったんかな?』『何万年前から積み重ねてこうなってるのか・・・』など歴史を感じることができるため、ここ数年、行ける所は見ておこう!!とはまっております。
もしかしたらもう訪ねておられるかもしれませんが、もしこの中で行ったことがない場所があったら行ってみてほしいな~
以上トークイベントの感想でした!
作家さんの話を聞く機会なんて島根に暮らしてたらなかなかない体験。
素敵な時間をありがとうございました!!