初めての横浜トリエンナーレ
横浜トリエンナーレは3年に一度開催されている芸術祭です。今年で八回目になり以前から行ってみたいと思っていた芸術祭です。今年のGWの帰省ではリニューアルオープンされた横浜美術館と港町横浜のアート散策に行ってきました。
今回のテーマは「野草:いま、ここで生きてる」。中国の小説家である魯迅の詩集に由来されています。2024年3月15日に開幕した第8回横浜トリエンナーレ、いまやアート系のメディアだけではなく個人の方々も自身のブログ等で鑑賞レポートをあげてくれていますので、どんな雰囲気なのか知るにはとても参考になります。芸術祭は美術館で開催される展覧会に比べると規模も大きく、あちらこちらに作品が展示されています。前もってどのルートで回ろうか決めておきたいところです。写真撮影にも寛容なのでこれは見逃せないと思う作品の場所は要チェックです。
これまでの横浜トリエンナーレと比べることはできませんが、色々とブログなどを拝見するとどうも今回はメッセージ性の強い現代アート作品が多いようです。考えさせられる作品が多いのでしょうか。公式HPやアート番組で取り上げられる側面ではない部分も個人のSNSでは読めたりするのも面白いですね。
ちなみに皆さんは芸術祭に行かれる際にどのくらい準備とか予習とかされますか?横浜トリエンナーレでは期間中いつでも何度でも鑑賞できるフリーパスチケットがあります。近くに住んでいれば私もそうしたかったです。しかし遠方で限られた日数で見なければならない場合は事前の計画が肝心になるなあと痛感しました。でも、頭の中を空っぽにして初見で作品たちと出会うことで得られる感動もあります。このバランスがいつも難しいと思っています。でも、現代アートはやはり少しは作品や作者のことを知ってから行きたいかなあ。
BankART KAIKO
思うままに撮影していた写真を見直しています。まずはBankAR TKAIKOです。手前のレンガ造りのレトロ建築がその建物です。後ろの高層ビルではありません。ここはみなとみらい線馬車道駅が最寄りの施設です。横浜港は生糸の輸出で栄えた港でもあります。大河ドラマ「晴天を衝け」でも横浜が重要な舞台として描かれていました。BankART KAIKOは1926年にできた帝蚕倉庫(旧横浜生糸検査所付属生糸絹物専用倉庫)の一棟を復元した建物の1階に入っています。
施設に足を踏み入れるとこんな感じでレンガと窓がとてもおしゃれです。
BankART KAIKOのショップエリアで開設されている「創造都市横浜20周年記念 横浜クリエイティブCOOP」で2枚のポストカードを購入しました。
秋山直子さんの横浜界隈の猫を撮った一枚。猫の部分はなんと缶バッチになっているのです。猫好きの私には造形の新鮮さが気に入って買いました。
もう一枚はUsagiさんのかわいいウサギのイラスト。ゆるカワ系です。
背景が一色で奥行きがあまり感じられずのっぺりした感じがマティスの絵に通じると思ったのは私だけでしょうか。
旧第一銀行横浜支店
こちらもみなとみらい線馬車道駅に近い場所に建つレトロ建築です。先ほどのBankART KAIKOの通りを挟んだほぼ向かい側にあります。
扉のこの重厚さ。上部の庇(ひさし)とその上の装飾がいいですね。モチーフはなんだろう。
アートもりもり!BankART Life7と黄金町バザール2024
BankARTと書いてバンカートと読みます。BankART Life7「UrbornNesting:再び都市に棲む」というタイトルで横浜トリエンナーレとの連携は今回で7回目だからLife7なんでしょうね。
BankART1929という事業がスタートしたのは2004年です。今年の横浜トリエンナーレの中で個人的にこの企画の立ち位置がはじめはよく分かりませんでした。後述する黄金町バザールもそうですが、元々は横浜トリエンナーレとは別個で動いている活動です。横浜トリエンナーレという名の下に横浜をアートで盛り上げるべく協力しあっていると感じました。
話しを戻してBankART1929です。こちらは横浜市が推進する創造都市構想のリーディング事業として2004年から始まりました。どんな事業かと言いますと、横浜の歴史的建造物や港湾倉庫などの遊休施設を文化芸術に活用することによって街に賑わいをつくることをミッションとしていました。現在の拠点は先に書いたBankART KAIKOとみなとみらい線新高島駅地下1階にあるBankART Stationです。
そのBankART Stationの展示の中から気になった作品を一つ選びました。
簡単に壊れそうなのにいつの間にか増えていそうな不思議な作品
水木塁さんの「P4(Pioneer Plants Printing Projects)」です。
遠目で見つけたときにはいったい何が置いてあるのか分かりませんでした。ペットボトルに細工でもしてあるのかと思って近づいていきました。いや~これはいったい、とキャプションに目を向けます。
この解説を読んで再び作品を見ると何故か少しずつ形が変化してきて増えたり減ったりしているように思えてきます。さっきまであったものが無くなって、何もなかったところからあたらしいものが生えてくる。崩れて朽ちたあとの土壌から新しい生命が生まれる。人工的に作られたものなのに不思議な時間の移り変わりを感じる作品でした。
黄金町バザール2024で街なかアートを楽しむ
本日の最後にご紹介するのは黄金町バザールです。2008年より開催されているアートフェスティバルです。アートとコミュニティの関係、アジアとの交流をテーマに掲げて15回目を数えます。今年は横浜トリエンナーレと連携しての開催です。メインタイトルは「世界のすべてがアートでできているわけではない」です。京急線の日ノ出町駅から黄金町駅の間の高架下スタジオ等が会場です。そこかしこにパブリックアート的に潜んでいます(隠れているわけではありません)。いくつか気になったものを写真に撮りました。そこに作品がない状態を想像してみると別に問題はないのですが、アートがあることでアートがあって良かったなあと思いました。
近影してしまっていますが建物の壁にあったものです。右側部分が壁面の形状で少し膨らんいるのが分かりますでしょうか。
イクタケマコトさんの作品。
そして「黄金町アートブックバザール」で買ったイクタケマコトさんのノートです。横浜の町並みがかわいいイラストで書かれてあって、しかもお手頃価格でした。じっくり見ていると色んな発見がありそうで楽しいです。
横浜美術館で壁面画の制作場面に遭遇
大きすぎて全体が撮影できず。こちらは5月3日の様子です。今はまた違った壁画になっているかもしれません。左側に描かれ途中の二本足の大きな生き物?ロボット?でしょうか。どんな壁画が完成しているのか見てみたかったです。
さて横浜美術館での鑑賞レポートと行きたいところですが本日はここまで。なかなか手強い作品が多くて文章を書くのに難儀しています。そして、横浜トリエンナーレとは別にもう一つ行きたかった展覧会がありました。それもいずれ書ければいいな~。
横浜トリエンナーレの開催概要
会期:2024年3月15日(金)~6月9日(日)
休場日:毎週木曜日(4月4日、5月2日、6月6日を除く)
開場時間:10:00~18:00(6/6~6/9は20:00まで開場)
会場:横浜美術館、旧第一銀行横浜支店、BankART KAIKO、クイーンズスクエア横浜、元町・中華街駅連絡通路ならびにBankART Life7、黄金町バザール2024など